二年生の特徴


安定感が出てくる

 二年生になると、字が思うままに書けるようになる。
自分の思ったことも、簡単なことなら字にして表わすことができるようになる。なんとすばらしいことであろう。いままでいちばんおとなにひけめを感じていたことは、字が書けないということであった。いまやそれが、自分もできるようになったのである。
 学校の生活にもなれて、あまり緊張しないでも先生のお話もよく耳に入る。
こうして子どもは生活になれ、自信をもつようになるので、二年生では全体として安定感が出てくる。すこしくらい困ったことがあっても一年生のときのように、すぐに泣きだしたりはしない。

競争心が出てくる

  2年生になると、学校生活にもなれてきます。入学した1年生を世話しようとしたり、自分が知っていることを教えてあげようとしたりします。学校生活で自由に動けるようになり、行動の範囲や動き方も活発になってきます。特に、男子にその傾向が顕著になります。

 言動においては、自己中心的な考えをする1年生と大筋においては変わりありません。しかし、小学校生活を1年経験しているだけに、学習にも意欲的になり、係活動やグループでの活動などでも積極的に活躍するようになります。教師を頼りにしないでも、徐々に自分なりの学級生活を楽しむようになります。ただ、集中力がそれほど身に付いていないことから、その意欲が空回りしたり自分勝手になったりすることがあります。結果的に、学習や作業が中途半端になることも少なくありません。

 知識・理解の面においても、全体的・構成的に思考する能力はそれほど身に付いていません。多くのことが部分的・一面的な思考になることがあります。例えば、国語の物語文を読む場合、全体の流れを把握した感想を述べるよりも、ある一場面をとらえて「おおかみがやさしい」「自分もやってみたい」などの意見を言うことが少なくありません。その一方で、教師が「どうしてそう思ったの?」と追加質問をすると、「自分も友だちにやさしくしてもらったから」などと自分の考えをもって答えようとするようにもなります。そして、自分の答えが言えないときは、恥ずかしそうな態度をすることもあります。

 また、1年生の時は自己中心的になりまとまらなかったグループ活動も、少しずつそのメンバーで話し合い協力して作業などを行うようになります。例えば、学級活動で「たんじょう日集会」を計画し、小グループで劇や歌などの出し物をさせると、グループで話し合いながら劇の名称や曲名を考えるようになります。このような活動を通して、個々の意見や考え方の違いや相手の立場などを理解するようになります。そして、自分たちの仲間・グループという集団意識も少しずつ芽生えるようになります。

 競争意識が強く目覚めるのも、この時期です。友達に負けまいとして、競って挙手したり、先生にほめられたくて作業を早く仕上げようとしたりします。特に、体育の時間にリレー競技などをさせると、自分も一生懸命に走るとともに声をからしてチームの応援もします。なかには、つい熱中するあまり、ルールを無視したり相手を妨害したりすることもみられます。
                       (昭和女子大学助教授/有村久春)

二年生のしつけ


 したい放題にしている親、しつけは勉強といっしょに学校でやってもらうものときめこんでいる親もある。 しかし、これらはまちがいで、今日の教育では、はっきりと家庭と学校で力を合わせて子どもを教育していくことになっている。そしてしつけに関しては、家庭が主であることも忘れてはならない。 ことに人格をつくる、つまり世の中の役にたつような人がらにするためには、お母さんの、また家庭全体の協力がたいせつである。毎日の生活の中で繰り返されること、それが、やがては、その子の性格となっていく。親の考え方が利己的なら、それをみならって子どももしだいに利己的になっていく。しかし、いっぽう、子どもには親にない、いいものもある。あなたのお子さんにも、そういう面がいくつかあるにちがいない。小学校の低学年では、たとえば内気な親の子ほ内気だときめられたものではない。内気な親ほそれでどんなに自分が損をしたかよく知っていることだろう。それならなお子どものために一くふうすべきではなかろうか。口やかましく言って直そうとしても直らない。自信をもたせ、適度に積極性のある友だちと遊ばせることも役だつだろう。積極的に行動せぎるを得ないような、しかもそれが楽しくできる集まりなどに参加させるのもいい。また親がすこしずつでも自分の態度を直していくことも、子どもにいい影響を与える。

おちつきのない子はどうしたらいいか
 
 たとえば、うちの子はおちつきがなく、世話やきだという人があるとする。おちつきがないのは困るが、人のために用をすることはいいことである。で、二年生のときには、おちつくことをやかましく言うより、よろこんで他人の役にたつことを学ばせるといい。
 世話をやくのはいいが、世話をやきすぎず、親切にすることをだんだんに教えていこう。たとえば、隣りの子と遊んであげるのはいいが、その子がよろこばないやり方をしてはいけないこと。先方の立場に立ってやってあげることを教えるのである。これはお友だちの場合も同じで、こうして、人とつきあうときに相手の立場に立つことを学ばせることは、一生涯ほんとうに役だつのである。

動作ののろい子のみちびき方

 また、逆に、おちつきはあるが、のろいという子の場合も同じで、のろいことについては、二年生ではやかましく言うより確実にやる方向にみちびくといい。つまり二年生では、足りないほうをあまり気にしないで、むしろ、その特徴を上手に伸ばすことを考えよう。


勉強のさせ方


毎日の勉強のさせ方について、考えてみよう
 二年生になったら、学校から帰ってから、三十分ぐらいは一つことに集中させる習慣をつけよう。しかし、それほかならずしも学校のおさらいでなくてもいい。

算数の注意点-九九の覚えさせ方
 二年生の算数で、いちばん問題になるのは九九である。九九をしっかり覚えるということ、九九を使えるようになるということ、これが子どもにとっては、たいへんな仕事である。九九を速く、確実に使えるようにするには、かけ算の意味がよくわかったうえでなけ
ればならない。 それには、まず、九九をそらで覚えてしまわないで、これをそれぞれに数をたしてつくることからほじめる。同じ数をたくさんたすときには、たすよりもかけるほうが便利でまちがいにくいことを理解させていく。
      2+2=2×2=4
    2+2+2=2×3=6
  2+2+2+2=2×4=8
2+2+2+2+2=2×5=10
 学校で、これをよくのみこんできた子どもはいいが、あなたのお子さんはどうだろうか。また、あいにく、その授業のときに休むと、まるでわからないままに次へ進むことになる。まず、この九九のなりたちのところがよくわかっているか、調べてみよう。


国語の注意点

 国語では、二年になったら本や雑誌を読む指導を積極的にやっていこう。これは学校でも、この学年で指導することになっているので、学校の勉強にもたいへん役だつ。子どもの能力に合ったものを、すこしずつでいいからしっかり読ませるといい。さいしょは声に
出してはっきりした発音で読むようにし、ときにはお母さんとかわりばんこに一くぎりずつ読むのもいいだろう。読んだらその内容について話しあったり感想を言いあう。こんなことならお母さんは自分の仕事をしながらでもできる。
 また、子どもの中にほ、お話を読んだりしているうちに、自分でもお話をつくろうかなどと言い出すことがある。こんなとき、もしその子が絵をかくのがきらいでなかったら、お話を絵と文でつくらせるといい。絵を上手にかかせようとしたり、文の言いまわしに、
注意をたびたび与えたりしてはいけない。子どものはほうでたずねたときだけ相談にのってやるようにして、ともあれ一つのものをまとめあげることを中心に考えるといい。
があって、それが、性格の基礎となるというわけであ
る。                                                 (波多野勤子「小学生の心理」)


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